先日、中古で新たなレンズを迎え入れました。
中古市場でほとんど見かけなかったのでついつい衝動買い・・。
その名も『LIGHT LENS LAB LTM 35mm f/2 Collapsible』。
復刻版のオールドレンズとして知られる、少しマニアックな一本です。
早速、その試し撮りを兼ねて、初夏の光が美しい嵐山・天龍寺へと足を運びました。
■ 手間さえも愛おしい、アナログな操作感
このレンズは沈胴式(Collapsible)というアンティークな構造で、絞りもピントももちろんマニュアル操作。デジタルカメラのオートフォーカスに慣れた身には、正直なところ一手間かかります。
ですが、ファインダーを覗き込み、自分の指でピントリングを静かに回し、光の量を想像しながら絞りを決める。その一つひとつの所作が、「今、自分が写真を撮っている」という感覚を強く呼び覚ましてくれます。効率とは対極にあるこの時間が、とても面白く、そして贅沢に感じられました。
■ 滲みと解像感。一つのレンズが持つ二つの顔
そして、肝心の写りは期待以上のものでした。
絞りを開放(f/2)にすると、光がふわりと滲むような、オールドレンズ特有の柔らかな描写に。まるで水彩画のような優しい世界が広がります。
そこから少し絞るだけで、その表情は一変。はっとするほど解像感が高まり、被写体のディテールを鮮明に描き出すシャープな写りを見せてくれました。
一つのレンズで、これほどまでに違う表情を楽しめる。まさに「銘玉」と呼ばれるレンズの面白さが、この一本に凝縮されているように感じます。
観光客で賑わう初夏の嵐山。その喧騒の中で、このレンズと向き合う時間は、とても静かで豊かなひとときでした。これから最高の相棒になってくれそうな、そんな予感がしています。

天龍寺









竹林


